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医療情報化推進方針とは?2030年に向けた医療DXの方向性と医療機関に求められる対応

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2026年8月、厚生労働省の社会保障審議会医療部会において、「医療情報化推進方針(案)」が示されました。
この方針案では、全国医療等情報プラットフォームの構築を軸に、電子カルテの普及、電子カルテ情報共有サービスの運用開始、クラウド化やサイバーセキュリティ対策の強化など、2030年に向けた医療DXの方向性がまとめられています。

今後、医療機関には、電子カルテを導入するだけでなく、医療DXサービスとの連携や情報共有、セキュリティを見据えた環境整備が求められます。
本記事では、医療情報化推進方針(案)をもとに、2030年に向けて国が描く医療DXの将来像と、医療機関に求められる対応についてご説明します。
参照:第130回社会保障審議会医療部会 資料[厚生労働省]

医療情報化推進方針とは

医療情報化推進方針とは、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保法)」に基づき、厚生労働大臣が作成する医療情報化推進の基本方針です。

これまでの医療DXでは、オンライン資格確認や電子処方箋、電子カルテなど、さまざまな仕組みの整備が進められてきました。
一方で、医療機関ごとにシステムや運用が異なり、必要な情報を組織や地域を越えて円滑に共有するための環境整備が課題となっています。

そこで国は、全国医療等情報プラットフォームを構築し、医療機関や薬局、介護事業者、保険者、救急隊、自治体などが必要な医療等情報を共有できる環境の実現を目指しています。また、国民がマイナポータルなどを通じて、自身の情報を閲覧・活用できる環境の整備も進める方針です。

医療情報化推進方針は、個別の医療DXサービスを導入する段階から、さまざまな仕組みを相互につなぎ、医療・介護等の情報を活用できる環境へ移行するための基本的な方向性を示したものといえます。

2030年に向けた医療DXの目標

医療情報化推進方針では、2030年を見据えた具体的な目標が示されています。
医療機関にとって特に関連性が高いのが、電子カルテ、情報共有、セキュリティに関する取り組みです。

電子カルテの普及・標準化

国は、2028年度までに200床以上の病院(療養病床等が中心の病院を除く)の電子カルテ普及率100%を目標としています。また、2030年度までに電子カルテ情報共有サービスに接続可能な標準型等の電子カルテの導入拡大を目指しています。

こうした目標の実現に向け、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋などの医療DXサービスとの連携を見据えた環境整備が進められています。
今後は、電子カルテを導入するだけでなく、医療機関同士で必要な情報を円滑に共有できる仕組みへの対応が重要になると考えられます。

電子カルテ情報共有サービスの運用開始と普及

電子カルテ情報共有サービスとは、全国の医療機関や薬局間で診療情報を共有するための仕組みです。国は2026年度冬頃に、全国で利用可能な状態にすることを目指し整備が進められています。
運用開始後は、全国の医療機関におけるサービスへの対応を促進するとともに、医療と介護の連携に関する情報など、全国医療等情報プラットフォームで取り扱う情報の拡充も進める方針です。

サイバーセキュリティ対策とクラウド化

医療DXの推進に伴い、サイバーセキュリティ対策の強化も重要なテーマとなっています。

医療情報化推進方針(案)では、2030年末までに、地域の拠点となる病院におけるサイバーセキュリティ対策の100%実施を目標としています。
また、大病院向けのクラウドネイティブ型製品の提供など、クラウドネイティブ型の環境整備も掲げられています。

今後は、クラウドを活用したシステム基盤の整備とあわせて、セキュリティ対策を継続的に強化していくことが重要になります。

参照: 資料1 医療DXの進捗状況等について(報告)[厚生労働省]

医療機関に求められる3つの対応

2030年に向けた医療DXの目標を踏まえると、医療機関では、今後の制度やサービスの動向を確認しながら、次の3つの観点で準備を進めることが重要だと考えられます。

電子カルテ標準化への対応

今後は電子カルテそのものの導入だけでなく、標準仕様への対応が重要になります。
電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどの医療DX施策との連携を見据え、現在利用している電子カルテが今後の制度改正や標準化に対応できるか確認することが必要です。
電子カルテの更新や新規導入を検討する際には、将来的な拡張性や他システムとの連携性についても確認しておくことが重要です。

情報共有サービスへの対応

地域医療連携を支える基盤として、電子カルテ情報共有サービスへの対応も重要になります。
診療情報を共有するためには、システム面だけでなく、院内運用や情報管理体制の整備も必要となります。
今後の制度対応を見据え、自院の医療情報がどのように連携されるのかを把握し、準備を進めることが求められます。

クラウド・セキュリティへの対応

医療DXの推進に伴い、クラウド活用とサイバーセキュリティ対策は切り離せないテーマとなっています。
近年は医療機関を狙ったサイバー攻撃も増加していることから、

  • システムの更新状況
  • バックアップ体制
  • アクセス権限管理
  • セキュリティ教育

などについて定期的に確認することが重要です。
また、クラウドネイティブ型電子カルテの活用は、将来的な制度対応や情報連携を進める上で有力な選択肢の一つになると考えられています。

まとめ

2026年8月に示された医療情報化推進方針(案)では、2030年に向けた医療DXの方向性として、電子カルテの普及・標準化、電子カルテ情報共有サービスの運用開始と普及、クラウドネイティブ型の環境整備、サイバーセキュリティ対策の強化などが示されました。
医療機関においては、単に電子カルテを導入するだけではなく、

  • 電子カルテ標準化への対応
  • 情報共有サービスへの対応
  • クラウド・セキュリティへの対応

を見据えた環境整備が重要になります。
電子カルテの更新や新規導入を検討する際には、現在の運用だけでなく、2030年を見据えた将来の制度対応や他システムとの連携も考慮しながら検討を進めることが大切です。

 

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